新潟での行政視察から戻って束の間、中越地方で阪神淡路大震災を思い起こすような直下型大震災が発生し、甚大な被害ももたらしました。
神戸からも多くのボランティアが現地入り。林と一緒にファッション美術館で震災復興コンサートを展開している内本君らも被災地にかけつけ、食料不足の情報を届けてくれました。
しかしメディアはまたまた被害報道に時間を費やし、避難所で「何が不足していますか?」という“愚問”を繰り返しています。まず必要なのは、国・自治体・自衛隊などの救助・救援情報や、水や、ガス、電気、食料などがどうなっているのかという生活情報を中心にした「安心報道」であるはずです。
林は『安心報道』(集英社新書)のなかで、「災害後反応の経過と安心報道」として、被災者が「恐怖・覚醒・英雄」期(災害の衝撃による恐怖とともに高度の覚醒状態になったり、危険を承知で勇気ある英雄的行動をとる時期)には「救助・救援の手立てが取られていることを積極的に伝える」重要性や、生活全般にわたる「安心情報」を具体的に伝えることを強調しました。
また、家族・友人など被災者同士に強い連帯感が生まれる「ハネムーン」期から、救援態勢の解除が始まり、精神的な2次被害を生む「幻滅」期にかけては、「国や行政の復旧・復興政策をきめ細かく伝える」ことや、復旧・復興格差をしっかり見据えた「生活再建」に希望をもてる報道を心がけることを指摘しました。
アメリカのある災害救援プログラムは明快です。
●第一の努力目標は、物質面と安全面の基本的ニーズ(避難場所、食料、水、医療など)を支援すること。
●二番目は当人の以前からの社会的な絆(家族、職業、教会など)の回復。
●三番目には、当人の自己評価に関係するニーズ(目的感、自信など)に対処する。
大災害が発生すると「大変なことが起きた!」と内外に報道し、救助・救援のための情報提供が必要ですが、初期報道が終わると災害2日めくらいからは、上記のようなプログラムに従って、きちんとしたサポートが行われているか、国や行政の対応はどうかという報道が重要になります。
被災者の立場の立った「安心報道」を期待します。