神戸市会の“ドン”とも言われた元議長の村岡功被告が逮捕されて1ヶ月が経ちました。
事件に関連してさらに3人の市会議員の事務所などが家宅捜索を受けたほか、市役所も2回捜索を受け、矢田市長や、梶本・鵜崎両助役も検察の聴取を受ける可能性が高まり、事件は拡大する様相をみせています。
林は地元のメディアで約30年間、国政や地方政治のウラ・オモテを垣間見てきましたが、実際に地方政治の現場に身を置いて、政治の“常識”は社会の“非常識”、国際都市・神戸でもいまだに“ムラ”型のなれあい政治が続いていることを実感しました。
村岡被告が逮捕されて以来、この1ヶ月の7つの不思議を列挙してみます。
●なぜ矢田市長は村岡被告逮捕に「驚いた…」のか?
村岡逮捕は多くのメディアや市議も事前に知っていたのに、矢田市長はなぜ予定どおり東京に出張し、「驚いた…」発言になったのか。事前に逮捕情報を把握していないような市長は市長の資質が問われる。また逮捕情報を知っていたなら「驚いた」発言は何かを意図した“芝居”である。あくまで“無関係”を装ったのであろうか。
●なぜ矢田市長は東京から市役所に戻らなかったのか?
市役所が家宅捜索を受けているのに、なぜ矢田市長はすぐに帰神しなかったのか。市幹部と連絡は取っていたというが、市長としての危機管理能力が問われるような対応だ。事件を未然に防ごうというリスクマネージメント能力とともに、事件が起きたらどう危機に対応するかというクライシスマネージメント能力が欠如していると言われても仕方がない。
●なぜ矢田市長は緊急記者会見を開かなかったのか?
矢田市長は各社の取材にはそれぞれ応じていると言い訳をしているが、何か勘違いをしているのではないか。メディアの後ろには「市民」がいることを忘れているのか、それとも市民に語りたくないのか。あの大震災の日も当時の笹山市長は緊急記者会見を開こうとしなかった。神戸市のHP・トップページには、いまだに“お詫び”の言葉も掲載されていない。
●なぜ「コンプライアンス委員会」を設置したのか?
今回の村岡被告の「あっせん収賄」事件で、矢田市長は「職員に不正はなかったと信じている」という見解を繰り返しているが、不正がないのに、なぜあわてて「公正職務検討委員会」を設置したのか。コンプライアンス=法令順守に問題がなかったのなら委員会の設置は必要ないはずだ。また年度末に「不当要求への対応指針」や「契約に関する働きかけの要綱」さらには「新コンペ方式」を矢継ぎ早に策定したのはなぜなのか。何か“やましい”心あたりがあったからなのだろうか。違法、不正、不当の違いがよく理解できていないのだろうか。
●なぜ議会は「100条委」設置に消極的なのか?
村岡被告逮捕の日に、共産、住民投票☆市民力、新社会の3会派は議長に対して、辞職勧告決議と「100条委」設置を求めたが、法的に調査権がある委員会設置は見送られた。しかも「政治倫理確立委員会」なる特別委員会には15人のうち自民議員が5人、正副委員長は民主、公明の代表で、これまで村岡被告と“歩調”を合わせてきた人と言われても仕方がない。自民委員には検察の家宅捜索を受けた議員もいる。ちなみに5月2日の初委員会で自民議員からの質問は一切なし。税金のムダ遣いではないか。
●なぜ費用弁償(会議出席費)を返上しないのか?
神戸市の市会議員の場合、議会や委員会に出席すると、普段は1万円の費用弁償(交通費を含む会議出席費用)が支給されるが、“つかみ金”だとして実費精算すべきだという声もある。今回の事件は議員が犯したものなのに、当たり前のように費用弁償をもらって臨時議会や委員会に出席している議員に驚いてしまう。せめて真相解明のための委員会くらいはボランティア精神で費用返上ができないのだろうか。陳情・請願にくる市民はすべて手弁当のボランティアだ。
●なぜ自民会派は村岡被告を処分できないのか?
これは7不思議のうちでも、最大の疑問のひとつだ。村岡被告は自ら自民党県連総務会長、自民党市連会長を辞職しているが、議会の自民党議員団には在籍したままだ。自民議員は議会で村岡被告に辞職勧告をしておきながら、会派では処分すら行えない。身内意識というより、まだ村岡被告の隠然たる力を恐れているのだろうか。まったくの自己矛盾を起している。また“与党”の民主、公明からもそういう声があがらないのはなぜか。不思議でならない。