ワーキングプア、ネットカフェ難民、派遣切り、ローン破産…日本は“小泉改革”による規制緩和からどんどん「格差」「貧困」が広がり、深刻な社会問題になってきました。
このため大阪弁護士会では、弁護士法第1条の「弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする」という精神に基づいて、「貧困問題連続市民講座」を24日からスタート、第1回は「求められる新たな『国のかたち』」というテーマで神戸大学・二宮厚美教授が基調講演を行いました。
このなかで二宮教授は、日本は戦後ずっと比較的貧富の格差の小さい社会を築いてきて“1億総中流”といわれた頃もあったが、21世紀に入って「格差と貧困」が顕在化してきた。これは小泉政権と、そのブレーンだった竹中平蔵大臣らの行き過ぎた新自由主義による規制緩和が最大の原因だ。
行き過ぎた規制緩和は貧富の格差を拡大し、どんどん貧困層を増やしている。最近は若い世代の貧困が増え、仕事がない、家がない、結婚もできない、子どももできない、という悪循環が連鎖し、社会の根底を揺るがす状況だ。これは憲法25条(健康で文化的な最低限の生活営む権利)に違反する深刻な問題だ。
一方、規制緩和で経済的に豊かになった日本の“ニューリッチ”は年収5000万円以上、金融資産1億円以上で約140万人おり、その資産の大半はアメリカの金融資本に投資され、ひいては“リーマンショック”に代表される金融危機を招いたことをみても、一部の富裕層にカネが集中すると経済システムそのものを破壊することになると、二宮教授は警鐘を鳴らしました。
そのうえで、二宮教授は「国のかたち」として世界に誇るべき憲法9条と25条の精神に今一度立ち返り、老いも若きも安心して暮らせる社会の構築を真剣に考えるべきときだと強調しました。総選挙もそういう観点で、しっかり政党の主張を見極めて1票を行使すべきだと考えます。
この市民講座、次回は10月15日午後6時半から「生活保護の現状と課題」というテーマで開催されます。会場は大阪弁護士会館、入場無料です。
◆NHK「セーフティネット・クライシス」オランダの選択<YouTube>