天下分け目の“真夏の陣”となった第45回総選挙は大方の世論調査や、ネット調査の結果に限りなく近い「民主308議席」となり、戦後政治史上に特筆される結果となりました。
4年前の「郵政改革選挙」に続いて、今回は「政権交代選挙」として有権者の関心を集め、全国的な投票率も前回の67.5%を2ポイント程度上回る69.3%(31日午前1時、共同通信推定)と、70%に迫る高水準になりました。
共同通信のまとめで各政党の獲得議席は民主308(公示前115)、自民119(同300)、公明21(同31)、共産9(同9)、社民7(同7)、みんな5(同4)、国民3(同4)、日本1(同0)、大地1(同1)、改革0(同1)、無所属6(同6)で、オセロゲームさながらに、自民と民主の議席はほぼ真逆にひっくり返ってしまいました。
兵庫県は「日本の縮図」とよく言われますが、林が選挙番組を担当していた頃からずっとその傾向があり、とりわけ前回総選挙や今回ははっきりと全国の情勢が投影されたような選挙戦が展開されました。
つまり、前回は自民・公明に全敗した民主はことごとく各選挙区で優位に戦いをすすめ、兵庫1区をはじめ公認候補を擁立した選挙区で全勝、推薦の形をとった国民新党候補が兵庫9区で自民に負けた以外、兵庫8区では推薦の日本新党候補が公明ベテラン議員を破り、公認・推薦あわせて11勝1敗という結果を収めました。
民主党の鳩山代表は30日午後9時40分頃から早々と記者会見し「民主党が勝ったとしても、おごらずにいかに国民の勝利に結び付けていくのか、これが大事なことだ」と語る一方で、「民主党が軸になった政権を構築する状況になっても、社民党、国民新党と連立を組む方向に変わりない」と、参院構成を意識した“連立政権”を強調しました。
一方、敗軍の将となった麻生総理は「自民党に対する積年の不満をぬぐい去ることが出来なかった」「解散を昨年10月にすべきだという意見もあったが、景気・経済対策を優先すべきだと判断した。政策を政局より優先させたのは間違っていなかった」と述べましたが、「総裁選を速やかに行い、出直さなければならない。一党員として今後とも自民党の再生に力を注ぐ」とし、総裁を辞任する考えを明らかにしました。
「自民党をぶっ壊す」と言った小泉元総理が辞任後、国民の審判を受けることなく、安倍、福田、麻生の“政権交代”が行われた結果、ほんとうに党がぶっ壊れるほどの惨敗になってしまいました。
日本の戦後政治の中枢を担ってきた自民党の大敗は、予想されていたとはいえ、世界のメディアをかけめぐり、ロイター通信は“Japan opposition crushes LDP in historic election (日本の野党が歴史的選挙で自民党をぶっ壊した)”というセンセーショナルなタイトルで伝えました。またアメリカCNNも民主党が“landslide victory(地すべり的勝利)”をし、戦後初の本格的な政権交代になると報道しました。
海外メディアは日本の政権交代をほぼ“想定内”という受け止め方をしていますが、今後の課題としてロイター通信は「国民の期待が大きいだけに、政策遂行を誤ると来年夏の参院選挙では民主大敗も考えられ、再び“ねじれ国会”の可能性もある」という見方を伝えています。
あれだけ世界的に注目されたアメリカ・オバマ政権も最近はやや支持率が低下しています。歴史的勝利を収めた民主党は、あれもこれもではなく、まずは国民に見えやすい形で、官僚中心のこれまでの国政のあり方を変え、さらにはマニフェストに基づいた地方政治の改革に乗り出してほしいと思います。