「地方に財源を与ふれば 完全な発達は自然に来る」
「地方分権丈夫なものよ ひとりあるきで発展す」
これは1928年、昭和3年2月の総選挙の時の「政友会」のポスターに書かれたメッセージです。
自治・分権ジャーナリストの会主催、近畿自治体学会共催で21日、「どこへ行く 地方分権」というテーマの講演・討論会が西宮で開かれました。
講師は国の地方財政審議会会長で、前東京大学大学院教授、現在は関西学院大学大学院教授の神野直彦 さん。もらった資料の一番最初に、冒頭の「政友会」のメッセージが紹介されていました。
ACTA西宮の会場は100人を超えるジャーナリストや研究者、地方議員らで満席状態。明治以来の中央集権国家から地域主権国家への変革をめざす民主党が政権を取ったあとだけに、関心の高さをうかがわせました。
財政学者でもある神野教授は、最初に民主党の「子ども手当て」や「ガソリン税など暫定税率廃止」などに触れ、財源をどうしていくのかもっと明確に国民に説明すべきだと“苦言”を呈しました。
そのうえで、これまでの「小泉改革」による規制緩和で国民の生活格差がどんどん広がり、雇用まで破壊されて「貧困」に苦しむ人が増えている現状を厳しく批判しました。
このため“セーフティネット”を整備することは必然のことであるが、生活保護や子ども手当てなど現金を給付するだけでは「貧困」を固定化するだけで、同時に生活保護から脱却できるような職業訓練や、子育て、教育、医療、介護などのサービスを“無料”で提供していくことが「貧困」を減らす近道であり、こういう政策によって新たな雇用を増やすことになると語りました。
神野教授は、こうした生活に密着したさまざまなサービスを提供するのが地方の役割であり、そのために「地方分権」が必要なのだと述べ、地域主権は歴史的・社会的必然であると強調しました。
民主党が提起している「地域主権国家」をどう実現していくのか、政党まかせではなく、そこに魂を入れるのは私たち一人ひとりの責任だと思います。