2005/1/18

災害は“貧困”を拡大…アジアに集中

 国連防災世界会議が神戸で始まりました。阪神淡路大震災から10年、記憶に残っているだけでも「阪神」以降、アジアではトルコ、台湾、インド、アフガニスタン、中国、イラン、そして昨年末のスマトラ島沖大地震によるインド洋大津波と大災害が続き、国内でも鳥取西部、芸北、宮城沖、中越など大地震が相次ぎました。

 17日の世界会議プレシンポジウムでは基調講演に立ったバングラデシュのユースフ防災担当大臣が度重なるサイクロンによるある女性被災者を写真で紹介しながら「災害に遭うたびに家が小さく粗末になり、今はかろうじて雨風をしのぐ程度のものだ。貧困と災害の悪循環を断つことが重要、貧困を解消していくことが防災につながる」と訴えました。

 またJIKA(国際協力機構)の緒方貞子理事長も長年にわたる難民救済の経験をふまえながら、「いのち」を守ることを最重点に「貧困の悪化を防ぐために減災に取り組まなければならない」と強調しました。

 くしくも二人の防災・減災のキーワードは「貧困の撲滅」でした。日本では「災害弱者」というあいまいな表現をしますが、大災害で家を失い、仕事を失った人々はまさに「貧困」に直面します。精神的な「貧困」にも襲われます。

 阪神淡路大震災では復旧・復興の格差、階層性が指摘されましたが、実は表面的な豊かさに隠された「貧困」だったのではないのでしょうか。

 震災直後にある同僚が「家がつぶれた、生活が出来ないと被災者は言うけど、それくらいの貯えはないのか」と疑問を投げかけたことがありますが、それくらいぎりぎりの生活をしている人が直撃されたということなのです。戦後乱立した“文化住宅”の大半が倒壊したことでも明らかなように、災害は“貧困層”を襲うのです。貧困がゆえに災害に遭うのです。世界の自然災害の被災者の約9割がアジアに集中しています。

 シンポジウムでも「持続的成長のためにも防災・減災が必要」と指摘されました。日本の役割は大きいと思います。