議会質疑
 
08.02.25  平成20年総務財政委員会(危機管理)

新型インフルエンザ対策について


◯平井危機管理監・理事 それでは,お手元にお配りしております総務財政委員会資料によりまして,神戸市新型インフルエンザ対策実施計画の策定について,ご説明を申し上げます。
 資料の1ページをお開きください。
 まず,計画の策定の経緯でございますけども,平成17年12月に国において,平成18年1月には兵庫県において,それぞれ新型インフルエンザ対策行動計画が策定されました。書いてはおりませんけども,これに先立ちまして,保健福祉局においては,平成14年3月に神戸市健康危機管理計画,平成17年3月に新型インフルエンザ対応マニュアル,そして,そこに記載しておりますとおり,18年11月には新型インフルエンザ対策実施計画を策定し取り組んでおりました。その後,国,兵庫県の行動計画やガイドラインに基づき,保健福祉局だけでなく各局室区においても実施計画の検討を行い,このたび各局室区を取りまとめた神戸市全体の実施計画を作成したものであります。  なお,この実施計画には,新型インフルエンザとは異なりますが,平成15年に国外で発生したSARS,いわゆる重症急性呼吸器症候群でございますけども,これの取り組みや平成15年5月に,観光目的で来日した台湾人医師が関西を旅行し,帰国後にSARSの発症が判明した事案の経験と教訓も生かしながら策定しております。当時,神戸市では,市民への情報提供,相談窓口を設置するとともに,庁内各関係部局対策会議を開催し,全庁を挙げて患者発生時の感染防止に取り組みました。
 次に,2番の神戸市危機管理基本指針における位置づけでございますけども,危機管理に関する計画・指針・マニュアル体系の中で,個別事案危機管理計画の1つ──アスタリスクマークがついておりますけども──1つとして,平成14年3月に策定しました神戸市健康危機管理計画をそこで位置づけており,その下の個別事案対応マニュアル──下側の右の端にございますけども,少し黒くメッシュの入ったところでございますが──個別事案対応マニュアルの1つとして本日の実施計画を位置づけてございます。
 2ページをごらんください。
 神戸市にとっての危機ということをまとめております。危機とは,神戸市民の生命・身体または財産に重大な被害もしくは損失が生じる,または生じるおそれがある緊急の事態をいい,本実施計画は,3)に書いています神戸市地域防災計画や国民保護計画の対象とならない危機に該当いたします。新型インフルエンザがパンデミック,いわゆる感染爆発と呼んでますけども,これを起こすと,例示されているような感染症等による健康危機や,感染者の増大に伴う社会機能の低下によるライフラインの大規模停止なども発生する可能性がございます。  3番の計画の概要ですが,策定に当たってとして,なぜ今この計画が必要なのかをここで記載しております。少し読み上げてみますけども,世界のすべての人が免疫を持たない新型インフルエンザは,完全なヒト型に変異したウイルスの出現とともに,5日から10日で全世界に拡散し,世界各地でおよそ8週間にわたって流行し,人口の25%が感染するとされております。
 発生までの限られた時間を利用して,市民・事業者・行政が連携して,でき得る準備をしておくことが重要で,万一の発生に際しましては,混乱やパニックを防ぎ,冷静・的確かつ迅速な初動対応により爆発的流行を抑え,最終的な健康被害を最小にとどめ,社会経済の混乱を防止することが求められております。
 (1)の策定趣旨でございますけども,新型インフルエンザに対し,各局室区が情報を共有し,連携・協力して迅速・適切な対応を実施するため,本実施計画を定めるものでございます。
 (2)の対策の計画と実施については,各局室区は,各フェーズ──日本語では段階と呼んでますけども──段階に応じて必要な対策をとるとともに,神戸市健康危機管理対策連絡会議または神戸市新型インフルエンザ対策本部の決定事項や指示に基づき,関係機関と連携し迅速な対応をとることになっています。
 フェーズごとの神戸市の体制につきまして詳しく申し上げますので,4ページの表の1をごらんになってください。
 現在は,フェーズ3のAの段階で,ヒトに感染する高病原性鳥インフルエンザが,インドネシアやベトナムなどの東南アジアを中心に国外で発生している状況で,神戸市では保健所危機管理対策連絡会議を開催し,情報収集を中心に取り組んでいるところでございます。
 ところで,過去には,平成16年1月に,皆さんご記憶だと思いますけども,山口県,同じく16年2月には大分県,京都府で高病原性鳥インフルエンザが発生し,特に京都府の事案では,感染した鳥が兵庫県八千代町の処理場に搬入され,神戸市の一部が移動制限実施区域に含まれたことから,神戸市高病原性鳥インフルエンザ対策連絡会議を設置するとともに,相談の窓口の設置,死亡野鳥の回収体制の整備,生きた鳥の簡易検査実施,市民への情報提供,養鶏農家への指導等の対応を実施いたしました。当時,フェーズという概念はありませんでしたけども,現在のフェーズに当てはめると,平成16年度の対応は,フェーズ2のBの対応を行ったということでございます。  今後,国内でヒトに感染する高病原性鳥インフルエンザが発生した場合には,フェーズ3のBになり,神戸市高病原性鳥インフルエンザ対策本部が設置されます。さらに,ヒトからヒトに感染する新型インフルエンザが国内で発生するフェーズ4のBになりますと,神戸市新型インフルエンザ対策本部,区本部を設置し,全市的な体制を確保するということになります。
 5ページをお開きください。
 表の2でございます。対策会議・本部員会議の主な協議事項でございます。この表は,フェーズごとに協議する必要のある事項を記載しており,例えばライフライン機能や行政機能の確保,事業活動の制限や集客・集会施設の閉鎖などについて,対策会議や本部員会議で協議し,事業者へ協力を要請したり,利用者や市民に対して事前予告などを行うものでございます。
 続きまして,6ページをごらんください。
 別表1でございます。新型インフルエンザ対策各局室区実施計画の概要でございます。この表は,各局室区別の主な対応事項について記載をしておりまして,例えば危機管理室では,新型インフルエンザ対策本部の設置や関係機関との連絡体制の確立,情報連絡体制の確保,各局室区体制・対応の確認などを実施するものであります。保健福祉局では,健康相談・保健指導の実施,医療の供給,患者の搬送,局内健康危機管理対策会議等を行い,消防局では,救急活動の衛生管理,患者搬送対応などの保健福祉局要請への協力・連携等を行います。また,教育委員会では,児童・生徒・教職員等の健康管理及び家庭の啓発・相談・指導,給食の安全対策等を行い,市会事務局では,議員への連絡・報告,議会の意見集約,対策の立案・決議に関する事務を行うということになります。  一番下の欄の各局室区共通事項といたしまして,職員の啓発・感染防御指導,来庁者・利用者,その他市民への情報提供・啓発・指導,外郭団体,関係団体・組織への情報提供,連絡体制と体制づくりや対策の指導などを実施することになってございます。
 3ページにお戻りになっていただきたいと思います。
 3ページの(5)非常事態宣言でございますけども,神戸市での新型インフルエンザ患者の発生状況と流行予測から,緊急の必要があるときに発し,市民の全面的な協力と理解を求めます。
 (6)流行の終息,フェーズ7と呼んでますけども,ここでは流行の終息状況を見きわめて,パンデミック対策の段階的縮小を図り,市民生活の正常化を促進します。そして,各対策の評価結果に基づき,実施計画の見直しを行い,第2波の流行に備えた対策を実施いたします。
 4番でございます。市民への広報・啓発ですが,広報紙4月号には,新型インフルエンザに備えて家庭でできる対策等についての啓発記事を掲載する予定でございます。また,神戸市のホームページにも新型インフルエンザのページを設置し,事業者に対しましても,新型インフルエンザのパンデミック時に企業活動が停止し,社会機能を停止させないためにも,神戸市の実施計画を参考にしていただきながら,事業者みずからの対策に取り組んでいただくことをお願いするものであります。
 市民1人1人の感染予防に向けた取り組みが自分自身や家族を守り,ひいては職場を守り,社会全体で新型インフルエンザの感染を防ぐことにつながります。市民の皆さんが一体となって,迫り来る危機に対して備えることが重要だと考えております。
 以上,神戸市新型インフルエンザ対策実施計画の策定につきまして,ご説明を申し上げました。  お手元には,神戸市新型インフルエンザ対策実施計画,ページ数で45ページと,非常に分厚いものでございますけども,お配りをしておりますので,後ほどごらんいただきたいと存じます。
 今後,この実施計画をもとに職員の研修,そして訓練などを通じまして計画の追加や見直しを行い,より実効性のある計画にしていきたいと考えております。何とぞよろしくご審議のほどお願い申し上げます。

◯委員(林 英夫) 今回の新型インフルエンザを危機管理という観点でおとらえいただいて,非常にタイムリーに取り組んでいただいているということは大切なことだと思っております。
 若干まだまだ先が見えない問題ですけれども,ざっくりとしたお話を伺いたいんですが,このインフルエンザ対策実施計画の具体の中で,人口152万を前提に,罹患率30%で,外来受診が46万6,000,入院患者数が3万5,900ということで,とりわけ公立病院だけでなしに,民間病院であったりとかあるいは医師会との連携が必要だと思うんですけども,今後そういったところの連携のスケジュールといいますか,どういうことをお考えなのかということと,あと1つ,私,メディア出身で,うんと前に神戸でエイズが発症したときに患者が出て,もうメディアが大騒ぎしまして,写真週刊誌も駆けつけたと。私たち地元のメディアとしてどういうふうに鎮静化するかということを苦労した覚えがあるんですが,今回やっぱりこういった形で発症すると,メディアとの連携ということで,フェーズの中でも出てくるんですけども,具体に,じゃあこういう形でやれば安心ですよということを,今,手洗いとかうがいとかそういうふうな話が出たんですが,もう少し専門的に,こういう状態では隔離すると。あるいはこういう状態で病院に入っていると。現在こういう状態だと。さらには,行政としてあるいは医療機関と連携しながら,鎮静化へ向けてこういうふうな取り組みをしているということを,安心報道としてどういう形でマニュアルをつくっていかれようとしているのか。あるいは大騒動の最中に専門家の映像でも結構ですから,こういった形で生活すれば安心ですよというふうなものをパッケージとして用意できるのかどうか,そういったことも含めて,地元のメディアあるいはさらにCATVとかいろいろとありますけども,そういったところの連携を今後どういうふうにお考えなのかという,2点だけをお伺いしておきたいと思います。

◯平井危機管理監・理事 まず,病院との連携ということでございますけども,1つ,なぜ30%なのかということをご説明申し上げたいと思いますけども,兵庫県では,計画では25%ということになっておるんですけども,これは兵庫県の罹患率というのは,都市部とか農村部も含んだもので25%ということでございます。神戸市の罹患率が30%というのは,その表にありますように,神戸市の場合は,道路とか鉄道とか海運とか空港,そういった交通網が発達しておりますので,大阪,京都とも直結しておりまして,しかも港を通じて中国や東南アジアとの交流が多いということが1つの特徴です。
 それから,2つ目に,1918年,これはいわゆるスペイン・インフルエンザのときですけども,1918年といいますと大正7年でございますけども,このときの資料が残っておりまして,このときが神戸市で罹患率が約30%あったということですから,都市部の東京が今30%なんです。ですから東京と同じように30%の罹患率を採用して,この数字をはじき出したものでございます。
 それから,1点目の,特に患者が発生した場合との公立病院とか医師会とか,いわゆる二次救とか医療機関との連携ということにつきましては,これはもう本当に大切なことでございまして,ここが崩れますと,非常に市民の間に大混乱が起こるということでございますので,今,対策本部をつくった,そういった状況のときには対策本部はできると思うんですけども,対策本部会議に私たちは,我々職員だけではなくて,医療関係者,それから,2点目の質問もございましたように,マスコミの関係者の皆さんにも対策本部に来ていただこうかというふうな仕組みを考えております。そういうことによって情報を共有して,よりよい問題解決方法があるんかないのか,あるいは市民に対して,国民に対してどういうふうな訴え方をしていくんかということが非常に重要になってこようかと思いますので,特に神戸市では,対策本部に出席を求めるようなことになるんじゃないかなというふうに思っております。
 メディアとの連携という意味では,確かに今,広報紙こうべとかホームページとか言いましたけども,リアルタイムで発信する情報については,やはり映像とかラジオとか,そういったものが非常に有効でございますので,これから医療関係者とかメディアも含めた訓練を,また計画をしたいと思っていますので,そういった訓練を通じて顔の見える関係で,よりよい関係を今後神戸市として築いていきたいなというふうに思っております。
 以上でございます。

◯委員(林 英夫) わかりました。これからの問題として受けとめたいと思います。特に第4段階になったときに,やはりどういうふうに対応するかというのが問われてくると思いますし,今,2点申し上げたのは,やはり医療業界,それからメディア業界,それぞれにありまして,そういう中では当然対応も考えていくと思うんですけれども,やはりどうしても病院間であったりとか,医師会の中でのそういう遠慮があったりとか,あるいは言い分があったりとかということがありますし,メディアの中でも,やっぱりそれぞれの取材方法がありますし,言い分もあるし遠慮もあるという中で,やはり危機管理というふうな観点をきちっと押さえていただいて,そういったところをうまくリードしていただくというのが今回の大きな目的でもあると思いますので,その辺を大いに主眼を置いていただいて,今後とも積極的に,いろんな訓練と言うまでもなくとも,懇談会なり開いていただければありがたいと思っております。
 以上でございます。


 
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